真弓定夫≪生誕の時点で、それぞれの個として≫ 個としては、親も子も同じ視点でとらえなければならないのは 申し上げるまでもありません。その原点は出産にあると思います。 お産の大切さは誰でも認めるところでしょう。しかし、ともすれば その大変さは産婦の側にばかり眼が注がれがちで、言葉で訴える 術をもたない新生児への配慮が欠けているように思われてなりません。 考えてもみてください。子宮内では羊水に包まれて暗い液体の中で 生活していた赤ちゃんが、明るい気体の世界に放り出された時の 衝撃がどのようなものなのか。それ以前に、あの狭い産道をくぐり 抜ける労苦が筆舌に尽くし難いものであろうことは想像に難く ありません。 母親からみれば赤ちゃんを産んだに違いありませんが、 赤ちゃんにしてみれば一所懸命に生まれたといえるのです。 とすれば、生誕の時点で、お母さんと赤ちゃんをそれぞれの 個としてはっきりととらえるべきでしょう。 (『自然流育児のすすめ』~はじめに~ より 著:真弓定夫 発行:地湧社) ジャンル別一覧
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